映画の手法を説明しています。後半ネタバレでラストシーンを考察します
* 2019年4月5月6月ベスト10
*ゴールデンウィークのオススメ映画
* 2019年1月2月3月ベスト10
*2018年ベスト10
*公開日の前日(木曜日)に毎週レビューしています
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*A+ A A- B+ B B- C で評価しています
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白黒映画のような極めて質素な感じの映像がテーマに合っていたと思う。私はポール・シュレイダーの同作品『MISHIMA』の関連性を強く感じた。(彼は自殺のテーマに関心が強い。)三島の『奔馬』では主人公の勲が暗殺する財界人の桑原は右翼から不敬の輩と見られているが、裏では父の経営する右翼塾に資金援助しているので彼はその矛盾をテロで解消しようとする。バルク社のトップ、エド・バルクが環境汚染の企業でありながらアバンダント・ライフ教会に多額の寄付金をする姿勢に対するトラー牧師の怒りと勲の怒りが重なって見える。イーサン・ホークの抑制的な演技が光っていた。ラスト・シーンについての解釈は鋭い指摘だと思います。私にはそこまで頭が柔軟でなく単純なハッピーエンドかと思っていた。単純にトラー牧師は大好きなメアリーが教会にいたらテロを中止するだろうというテロリストと良心の葛藤を描いたものと解釈していた。とても参考になりました。
見てないですが、『MISHIMA』は評価が高いですね。宗教のない日本人にとって生きるとは何なのだろうと考えていたらトーラーがお刺身を食べながら、『こういうシンプルな楽しみもある」とか言います。監督も日本人を見て、シンプルな楽しみで生きている人々に思いをはせたのでしょう。
ラストは、突然真っ暗になり、パソコンが壊れたかと慌てたのですが、そうでなかった。監督はわざわざなんでこんなことをしたのだろうと考えました。ビデオで舌足らずでしたが、賛美歌は神の腕に抱かれると歌っていたので、彼女の腕と神の腕が重なります。
おっしゃるように、テロリストも批判していると思います。トーラーをイエス・キリストにたとえています。処刑の時の白い衣といばらの冠。彼が、黒い衣を細くたれて抱きしめて立っている姿は、十字架の上のイエスのようです。メアリーが「アーンスト」と呼びます。アーンストとクライスト(キリスト)は韻をふんでいます。キリストは救世主という意味です。イエスは、暴力でなく自分が死んで、抗議した人です(非暴力)。テロリストは暴力です。